歯列矯正治療費は戻ってくるってどういうこと???(医療控除のはなし)

税金

こんにちは、アトリエです。

今日のテーマは、 歯列矯正の医療控除についてまとめました。
クリニックにカウンセリングに行くと、よく説明の最後に『歯列矯正は医療控除対象なので治療費は一部返ってきます』 と話がありました。
しかし、まずは歯並びを治したいことが頭の中でいっぱいだったので、理解しきれないまま治療スタートしてしまいました・・・。
そこで、医療控除について、その手続きはどうやるのか、どれぐらい返ってくるのか、その仕組みを皆さんと情報共有したいと思います。
参考になれば嬉しいです!

■ 歯列矯正の医療控除

  1. 「医療費控除」とは
  2. 歯列矯正は医療費控除の対象?
  3. 実際どれだけ返ってくるの?
    ・注意1:毎年、1年間で支払った治療費が対象
    ・注意2:クリニックまでの交通費申請もお忘れなく
    ・注意3:セルフメデイケーション制度は同時に受けられない
  4. ふるさと納税も同時に利用できる!
    ・注意1:青色申請する・ワンストップ制度が使えない
    ・注意2:寄付金の限度額が低くなる

1. 「医療費控除」とは

国税庁サイトによると、医療費控除の説明は以下のように説明されています。

自己や自己と生計を一にする配偶者やその他親族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。

国税庁サイトより

会社員の方は、毎月のお給料から所得税が天引きされています。
次の年の3月15日までに、確定申告で医療費控除を申請すれば、その年に納めていた所得税の一部が戻ってくるそうです。

2. 歯列矯正は医療費控除の対象?

対象です。が、全員が対象になるわけではないようです。

国税庁サイトによると、以下の説明がありました。

発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。しかし、同じ歯列矯正でも、容ぼうを美化するための費用は、医療費控除の対象になりません

国税庁サイトより

上記のように、噛み合わせや歯並びが悪いことで問題が生じていて、これらの機能を回復するための歯列矯正だと診断されれば対象になるようです。

 ☑ 噛み合わせが原因で食べ物を噛み切れない
 ☑ 歯並びが原因でうまく発音ができない
このような症例などで困っているのであれば、控除対象になりますよ、ということです。

『じゃあ私は困っていないから控除対象外ってこと?』と心配になった方、ご安心ください。
私もそうでしたが、自覚症状がないだけです。
歯並びの悪いあなたは、日常生活にしっかり支障をきたしています笑。

歯列矯正を始めたいきっかけが外見や見映えだった場合、検査してから『実は機能的に問題があった』ことが発覚することもあるようです。
例えば、口呼吸になりやすく喉を傷めてたり風邪をひきやすい、とか、いびきがひどい、など身に覚えがありませんか?
これも、歯並びが悪いことが原因の一つのようです。
口が上手く閉じられず口呼吸になると、口の中が乾燥するので虫歯の原因にもなるようです。唾液が多い人は虫歯になりにくい、というのはこの話から言われているようです。

特に、受け口や出っ歯の方は、無自覚のままのことが多いようです。
例えば、歯並びの良い人は就寝時でも口が閉じたまま、という事実を知ったときは衝撃の事実でした。皆口に力を入れて、無理やり閉じているのかと思っていました。
それが当たり前の世界でアラフォーまで生きてきたのですから・・・。

3. 実際どれだけ返ってくるの?

ここからは、実際にどれくらいの還付金を受け取れるのか、計算方法を調べてみました。

還付金は、以下の式で算出できます。

(還付金) = (医療費控除対象の金額) x (所得税の税率)

・・・ちょっと何言ってるかわからない、という方もご安心を。
これから、①医療費控除対象の金額、②所得税の税率、の2つの順で説明します。

①医療費控除対象の金額:

まず、医療費控除の対象になる金額を考えましょう。
医療費控除対象の金額は、以下の式から算出できます。

(実際に支払った医療費の合計額 – 保険金などで補てんされる金額(※1))- 10万円(※2)

※1:生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など
※2:その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5パーセントの金額

②所得税の税率:

課税される所得金額に対する所得税の金額は、人によって違います。
所得金額が大きければ大きいほど、所得税の税率は大きくなっています。
よくお金持ちの人が『税金ごっそり持っていかれる~』と話していると思いますが、アレです。
所得税の速算表は国税庁のサイトにありますので、参考にしてください。

所得税の速算表(平成27年分以降):国税庁サイトより
ケース:年収1000万円のAさんの場合

それでは、以下の条件のAさんの場合を計算してみましょう。
 ・1年間で支払った医療費は100万円
 ・保険金などで補てんされる金額はゼロ
 ・年収1000万円=総所得金額等が200万円以上

①医療費控除対象の金額:
=(100万円 – 0円)- 10万円
90万円

②税率:
年収1000万円のAさんの税率は、所得税の速算表と照らし合わせると 33%です。

税率の換算表と照らし合わせます

①②まで計算したら、あとは還付金は①②の数値を掛ければ算出できます。ここで、先ほどの還付金の式を確認してみましょう。

(還付金) = (①医療費控除対象の金額) x (②所得税の税率)

年収1000万円のAさんの場合、上の式に当てはめると、
90万円 x 33 % = 29.7 万円 が還付金となります。

いかがでしょうか、高額な治療費が1円でも返ってくると思うと嬉しいですよね!

注意点

医療控除を受けるときの注意点が3点あります。

・注意1:毎年、1年間で支払った治療費が対象
  1年間の医療費控除対象の金額は、総額でなく1年間で支払った治療費です。
  なので、同じ治療を受けていても支払ったタイミングで還付金が変わってきます。
  1年目で総額100万円まとめて支払うBさんと、1年目で50万円・2年目で50万円と分けて支払うCさんでは、Bさんの方が還付金は多くもらえます。
  その理由は、医療費控除対象の金額を求める計算式の中にあります。

(実際に支払った医療費の合計額 – 保険金などで補てんされる金額(※1)– 10万円(※2)

 医療費控除対象の金額は、1年ごとに10万円引いて計算されますので、総額が一緒でも支払う年をまたいでしまうと、その分少なくなってしまいます。
 クリニックと相談したうえで、ご自身の貯金に余裕があれば、一度にお支払いするのが一番お得かと思います。 

・注意2:クリニックまでの交通費申請もお忘れなく
  実際に支払った医療費の合計額には、交通費も含まれます。公共機関の往復電車賃なども加算しましょう。
  レシートは不要で、診察日と往復交通費をエクセルなどでまとめておけばOKです。

・注意3:セルフメデイケーション制度は同時に受けられない
  セルフメディケーション対象の市販薬が売られていますが、歯列矯正で医療費控除を申請すると、同時に受けられないようです。

セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、通常の医療費控除との選択適用となりますので、いずれか一方を選択して適用することになります。

国税庁サイトより

4. ふるさと納税も同時に利用できる!

ふるなびサイトには、以下の説明がありました。

目安として、医療費控除との併用により、ふるさと納税の控除上限額が少なくなる金額は、医療費控除額の2%から4.5%程度といわれています。

医療費控除が20万円の場合であれば、20万円の2%~4.5%なので、約4,000円~9,000円程度ふるさと納税の控除上限額が少なくなります。

ただし、多額の医療費控除を利用して所得税率の区分が下がる場合は影響が大きくなります。

ふるなび

ここで出されている『2%~4.5%』はあくまでも目安なので、正確な限度額を把握できる控除シミュレーションを利用してみてはいかがでしょうか。

私も寄付金額の上限を超えていないかドキドキしていましたが、シュミレーション計算を利用することで寄付金の上限目安が分かり、ホッとした記憶があります。笑

まとめ

今回は、歯列矯正でどれだけ還付金が返ってくるのかを計算してみました。還付金の計算は意外と大変ではなかったですが、いろいろと制約条件がありそうなことがわかりました。申請するときはご自身の条件と合っているか、しっかり確認してみてください!

年度末には実際の申請方法手順を記事にまとめたいと思います♪

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この記事を書いた人

東京生まれ東京育ちのアラフォー独身女。
メーカー勤務10数年の、いつまでも中堅気分のベテラン社員。
気持ち的に節目となる40歳が近づいてきて焦燥感に駆られ、「今日が一番若い自分、今からでも人生に抗ってやる!」と思い立ち、ブログを始める。

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